卒業生コメント

符田 かおりさん(2005年3月 言語聴覚学科卒業)

大学附属病院勤務 

対象者に寄り添うこと、そこからすべてが始まります。

 高次脳機能障害があって、コミュニケーションの取りにくい対象者がいらっしゃいました。何か糸口になることはないかと探していたところちょっとしたことから、その方は花がお好きだと知りました。言語室を出て、「蘭のあるところに行きましょうか?」とお誘いしました。花の話題を通して、その方に少しずつ変化があらわれるようになったときは、大きな喜びを感じました。また、食事をとることにさえ興味を失っている方や嚥下障害により飲み込みのできない方が訓練によって食べられるようになり、おいしそうな顔をされたときもとてもうれしく思いました。

 私が感じたり考えたりしていることは、できるだけ顔をあわせたり、手を取ったりして対象者の方に伝えるようにしています。つらいという気持ちを表現することもできない対象者の方は不安も大きく、訓練や治療も難しい点が多いのですが、まずその気持ちを受け止めることから始めました。脳卒中などにより意識のレベルが低い方は、ベッドサイドに出向いて、少し症状が安定した方は訓練室で言語療法にあたります。そして対象者がこころを開いてくださる糸口がみつかるまで根気よく接していきます。

 今、難しいと感じているのは、対象者とその家族の気持ちのギャップをうめること。家族の期待に応えることが対象者の負担になっているケースも多く見受けられます。病棟の担当者と共にご家族に理解していただけるよう話し合いをしています。

 言語聴覚士として従事するようになってから、今さらながら、OCRのありがたみを感じています。巡回指導で先生にアドバイスしていただいたことも、とても励みになりました。言語聴覚士は一生が勉強。知識、技術を磨いてコミュニケーションを図り、少しでも対象者の方の役に立っていくことが、自分を成長させていくのだと感じています。またこの病院に就職を決めたのも、すばらしい言語聴覚士の先生に出会えたからでした。成長し続け、1日も早くそんな言語聴覚士になりたいと思っています。

◆ある一日のスケジュール◆
8:40 リハビリテーション科の全体ミーティング
9:00 評価・指導・訓練開始(間にカンファレンス・廻診)
12:00 食事休憩
13:00 午後の訓練開始
17:00 終了
17:30 帰宅