求められる人材

仕事に求められるものは?

相手の目線に立ち、思いやる心。

 対象者がどんな気持ちでいるか。どんな環境にいるのか。そういったことを、相手の視線に立って考え、相手の気持ちや状況を理解することが大切。「私が治療する」のではなく、「私と対象者が一緒になって障害を克服する」。それが、セラピストの仕事だと思います。

家庭や地域で対象者を診る。その、中心的役割。

 病院に長く入院させるのではなく、地域社会や家庭に戻って、そこで日常生活や仕事に復帰するための訓練や援助を行う「在宅介護」や「地域医療」の考え方が広まってきています。その中心を担うのが作業療法士。リハビリテーション医療のスペシャリストとしての技術と知識、対象者を介護する責任者としての自覚が必要ですね。

助けられた経験がある人がいい。

 相手の辛さや傷みが理解できないと、よいセラピストにはなれないと思います。助けられた経験や、人に支えられて今の自分があると思える人は、資質があるのではないでしょうか?

チームワーク。医師、看護師たちとコミュニケーションを密にとりながら対象者に接する仕事だから。

 最近、チーム医療を行っている病院が増えてきています。病気やケガで入院してきた患者を、できるだけ早く元気にさせてあげて、社会や家庭に帰してあげるのが病院の役割。医療に携わる人間——医師と看護師、栄養士、薬剤師、PT、OT、STなどがチームを組んで、コミュニケーションを密にしながら一人の患者を診るのがチーム医療。カルテを読む。医師と治療方法を相談する。栄養士と話をして、退院後、食事療法を行いながら作業療法を行います。リハビリテーション医療に関わるPT、OT、STの役割が重くなってきました。仕事は大変だけれど誇りがあります。対象者を家庭へ、社会へ復帰させる大きな喜びがありますね。

人生経験が大切。

 ストレートでセラピストになる人もいるけれど、社会経験を積んでセラピストを目指す人もいい。対象者はいろんな人生や環境を背負っています。それを、理解するためには挫折や回り道を経た人間の方が向いているかもしれませんね。

教科書で学ばなかったことに直面して、打開できる能力。

 臨床の現場に臨んだとき、直面する問題のほとんどは教科書通りではありません。対象者に最適のプラグラムが組め、治療が行えるかどうかが、真の評価になる。教科書丸暗記ではできない仕事です。

人間、コミュニケーション大好き!それって、重要ですね。

 人間やコミュニケーションが好きという人でないとダメ。いろんな人生経験、家庭環境、疾患、年齢をもった対象者と接するので人間が嫌いで、コミュニケーションが苦手という人には向きません。コミュニケーションが上手といっても、自分のことばかりおしゃべりしたい人にも務まらない。対象者の気持ちをやわらげ、苦しみや痛み、喜びなどを素直にしゃべってもらえる環境をつくること、相手の思いに耳を澄ませる能力が必要だと思います。

学び続ける努力を惜しまない人。

 技術を磨き、国家資格を取得しようとすると、生半可な気持ちや憧れだけでは実現できません。仕事は第一線についてからが大変。学校以上に、日々、学び、努力し続けなければなりません。対象者の人生や命に関わる大切な仕事だから。